カイコガ(蚕)

学名Bombyx mori
別名:カイコ
英名:Silkworm、Silk moth
分類昆虫綱 チョウ目(鱗翅目)カイコガ科
サイズ:3㎝前後(成虫)、~6cm程度(幼虫)
時期:-(野生分布なし)
分布:-(野生分布なし)
レッドリスト(絶滅危惧種):掲載なし

カイコガ成虫(と蛹)
カイコガ成虫(周りはサナギ)

概要、特徴、生き方など

カイコは野生には生息していません

 カイコガは、クワコを家畜化した昆虫と言われています。そのため、野生には生息しておらず、また、野生で生き残るための能力も退化しています(幼虫の握力が極めて弱い、成虫が飛べない、など)。

 なお、「カイコガ」が標準和名ですが、「カイコ」と呼ぶことの方が一般的です。

成虫の特徴

 全身真っ白の蛾です。口は無く、水一滴飲むこともありません。
 オスのカイコガはメスのカイコガのフェロモンに引き寄せられ、交尾をします。
 このフェロモンは「ボンビコール」という物質であることが明らかにされています。

幼虫(~蛹・繭)の特徴

 幼虫はクワ(桑)の葉を食べて成長します。
 成長した幼虫は、絹糸を吐き、繭を作り、その中で蛹になります。

自然界での役割(サイト管理者の私見です)

 野生には生息していないことから、自然生態系の中での役割はありません。
 一方で、絹を生産するために家畜化された昆虫なので、人間から見ると、絹を生産するという役割があります。

カイコの産業利用

絹の生産

 カイコガは絹を生産するために家畜化された昆虫なので、その主な利用方法は絹の生産となります。
 絹はカイコガの繭から紡ぎますが、カイコガ1頭(カイコガは家畜なので「頭」とカウントする)から採れる繭は約1.8g程度なので、着物一枚を織るのに必要なカイコは約2,700頭にもなります1)
 日本でカイコガを育てる農家(養蚕(ようさん)農家)は、平成元年(1989年)には約5万7,000件ありましたが、養蚕農家の高齢化や後継者不足から、平成が終わる頃(平成31年=2019年)には264件まで減少しています1)。そのため、国産生糸(きいと)のシェアは0.1%程度となっています1)

関連する生き物

クワコ
クワコ(同属種)
◆参考文献

1 「蚕糸業をめぐる事情」令和4年6月 農林水産省

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