クロオオアリ(黒大蟻)

学名Camponotus japonicus
英名:Japanese Carpenter Ant
分類昆虫綱 ハチ目(膜翅目)アリ科
サイズ:1cm前後(働きアリ)
時期:春~秋
分布:全国
レッドリスト(絶滅危惧種):掲載なし

クロオオアリの働きアリ
クロオオアリの働きアリ

概要、特徴、生き方など

 ムネアカオオアリとともに、日本最大級のアリで、公園などでもみられる普通種です。

 クロオオアリを含むアリの仲間は、体の表面の匂い物質(体表炭化水素)で他の巣のアリと自分の巣の仲間を区別していますが、クロオオアリの場合は、18種類の炭化水素のわずかな混合比率を触覚で識別して仲間を認識しています。これには、触覚にある「錐状感覚子」という器官にある嗅感覚細胞(匂いを感じる細胞)が関与していて、この器官が体表炭化水素を受け取ると、同じ巣の仲間では同じような応答パターンを、別の巣の個体では別の応答パターンを示すことが明らかにされています1)

 クロシジミの幼虫はクロオオアリと共生関係にあり、クロオオアリの巣の中で働きアリから餌をもらって育ちます。ただし、共生といっても、クロシジミの幼虫にのみ利益がある「片利共生」という関係性にあります。

 クロオオアリトゲアリに巣を乗っ取られることが知られています。

自然界での役割(サイト管理者の私見です)

 芋虫などの昆虫を狩ったり、昆虫などの死骸などを餌にすることから、多くいる昆虫などの生息数を調整する役割や、自然界の掃除屋の役割を担っていると考えられます。

関連する生き物

ムネアカオオアリ
ムネアカオオアリ(同属種)
トゲアリ
トゲアリ(巣を乗っ取られる相手)
◆参考文献

1 Hidehiro, Watanabe. Shoji, Ogata. Nodoka, Nodomi. Kosuke, Tateishi. Hiroshi, Nishino. Ryosuke Matsubara. Mamiko, Ozaki. Fumio Yokohari. Cuticular hydrocarbon reception by sensory neurons in basiconic sensilla of the Japanese carpenter ant. Front. Cell. Neurosci., 06 February 2023 Sec. Cellular Neurophysiology Volume 17 – 2023.

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