ムラサキシジミ(紫小灰蝶、紫蜆蝶)

学名Narathura japonica
英名:Japanese Oakblue
分類昆虫綱 チョウ目(鱗翅目)シジミチョウ科
サイズ:3.5cm前後(成虫)
時期:初夏~秋
分布:本州、四国、九州、沖縄
レッドリスト(絶滅危惧種):掲載なし

ムラサキシジミ成虫
ムラサキシジミ成虫

概要、特徴、生き方など

 翅の表面(背側の面)が青色の美しいシジミチョウの仲間です。翅の裏面(腹側の面)は枯葉のような色・模様なので、翅を閉じてじっとしていると周りの風景に溶け込んで見つけにくいです。

 幼虫は、アラカシスダジイなど、ブナ科の植物の葉を食べて育ちますが、体にある蜜腺から蜜を出してアリに与え、その代わりに天敵から守ってもらいます。
 このときアリは、蜜という報酬をもらったことと、その相手であるムラサキシジミの幼虫の体表炭化水素を関連させて防衛対象であることを学習し、ムラサキシジミ幼虫に対する防衛行動を起こすことが明らかにされています1)

 似た仲間にムラサキツバメがいます。

自然界での役割(サイト管理者の私見です)

 幼虫はアラカシスダジイなどのブナ科の植物を餌にしていることから、そうした植物が光合成によって蓄えた栄養を、動物性の栄養に転換する役割を果たしているのではないかと考えられます。また、そうしたブナ科の植物が繁茂しすぎることを抑える役割もあるかもしれません。

 成虫は、花の蜜を吸うことから、一部ポリネーターとして、受粉の役割も果たしていることも考えられます。

関連する生き物

ミズイロオナガシジミ
ミズイロオナガシジミ(近縁種)
キマダラルリツバメ
キマダラルリツバメ(近縁種)
◆参考文献等

1 北條賢、[総説]相利共生の比較生理生化学、比較生理生化学 33 巻 (2016) 2号

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